エッセイ//私の道草日記 其の２ 越水 涼

2020.7.17 　

   雨が続きます。嫌です。でも、天気と女ごころは私の力ではどうしようもありません。朝の通勤の車の中で考えることと言えば、今日の仕事のことは勿論ですが、横断歩道を渡るランドセルの一年生を見れば、うちの子もあんなだったなとか、今朝もいつものお父さん散歩してるなとか、思いながら見ています。

　ただ、この二ヶ月間いつも頭の片隅にあるのは、娘の就職のことです。五月二十日にWEB面接があると聞いて、私にできることは何だろうと考えて、禁酒を始めました。私は量は少ないもののほぼ毎日、飲んでいるのです。発泡酒、ビール、ワイン、チューハイ、日本酒となんでも好きです。飲まない日は年に数日でしょうか。でも、今回、娘の就職活動がうまくいくよう祈って、禁酒しています。

　ちょうど今日で二ヶ月です。過去にも娘の高校入試や大学入試の前一週間程度禁酒したことはあります。でも、今回は長い。一つ内定がもらえるまでと決めて続けています。今日、ある一社が最終面接だと聞いています。どうだったんだろう？今までも十社ほど面接を受けて何社かは残念な結果が出ています。苦戦しているようで、私も、積極的にその話題を持ち出すことができません。

　ただ、祈るばかりなのです。毎朝、毎晩、仏壇で拝み、先日は近くの神社にも賽銭を奮発しました。そんなことしかしてやれません。私の時代のように、面接で、山登りやってました、と言って、そりゃあいいや、根性ありそうだ、採用！なんてことないですよね。

　娘のまじめなところ、根性あるところをちゃんとわかってもらい、縁あって、何とか採用してもらい、いい上司、先輩、同僚に恵まれる、そんな幸運を娘が手にすることをただ、ただ祈っています。