エッセイ//私の道草日記 其の4 越水 涼

2020.7.31

 11時頃銀行回りで玄関を出ました。そこで気付いたのが、歩道に結構広い範囲に落ちている多分鳥の白い糞。そして、西の空に広がる黒い雲。嫌な予感はしたんです。傘を持たずそのまま私は会社からわずか五十メートル先にあるメインバンクへと向かいました。
 その銀行では五十枚未満の両替でも、八月から手数料がかかることになっているため、少しでも両替をしようと出向いたのでした。ついでに記帳もお願いしました。そこでは十分程度の滞在です。外へ出てみると案の定、雨がぽつぽつと降り始めていました。が、えいっ、とそのまま小走りにそのまた五十メートル先の郵便局へと向かいました。
 そこでは口座から現金の引き出しを、その際一部両替も兼ねて金種の指定をしてお願いしました。ここでも十分程度で用件は済みました。しかし、待っている時から外を見ていると雨足がどんどん強くなり、モルタル造りの壁や屋根に打ち付ける雨の音も酷くなってきました。
 郵便局の方は、傘お貸しできますよと、声をかけて下さったのですが、俄雨だと思った私は、そのまま待たせてもらうことにしたのです。そこから十分経ち、少し雨が弱くなったように見えました。もう止むかなと思い、まだ待ちました。しかし、再度雨が強くなりまたもや、叩き付けるような降り方で、傘借りた方がいいかなあと思い始めました。
 そこから、五分。何もせず待つのって長いなあと思いつつ。
 いよいよ雨が小降りになり、ガラスドア越しに見える、道の水溜りに落ちる雨粒の間隔も遅くなってきました。今だっ、と局員にお礼を言って外へ出ました。もう、西の空は快晴の状態になっているではありませんか!
 会社の前に戻って来ると、さっきの鳥の糞は強く大量の雨によってきれいさっぱり流されていたのでした。

 私が、思ったのは、タイミングについてです。この日の出来事のように、この時間に出かけていなければ思わなかったことに気付かされたのでした。もし、傘を持って出ていたら?局で遠慮せず最初から傘を借りていたら?そう、今日のこのエッセイはこの世に出なかったのです!
 その時々の判断、運命、タイミングで結果は変わるのです。その結果は、もちろんその本人がいいと思えるか、思えないかもその人の考え方、心の持ちよう次第なのですが。

 追伸: 
 前々回の道草日記に書いた、娘に内々定が出ました。七社はダメで二社が内々定です。一社は今日のうちに断ったそうです。がんばったねと言ってやりました。受け入れてくれる会社に実際働き始めてからも、ここでよかったと思えるよう祈るばかりの私です。私はと言うと、発泡酒再開しました。

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