エッセイ//私の道草日記 其の3 越水 涼

 本当は7月22日の日記として書くつもりのものでしたが遅くなりました。
 さて、先々週の『週刊現代』に中島みゆきさんの関係記事があるのを新聞の広告欄で見て、こりゃ読まないかんと思っていたものの、何だかんだで読めず、先週の週刊誌も置いてあるのを知っている、帰り道途上にある喫茶店に立ち寄ることができて読めました。
 それは、”ヒット曲よりも私だけのこの一曲”と題しての特集でした。私について言えばヒット曲がきっかけでみゆきさんの歌を聞くようにはなったのですが、確かにそれぞれ好きな曲、それぞれの境遇でその時の自分にぴったりの歌ってありますよね。
 私がみゆきさんの歌を知ったのは、確か音楽ラジオ番組での「時代」か「わかれうた」だったように記憶しています。小学校高学年から中学校の頃です。なかなかに、暗いけど、鋭い歌詞に何かいいなあと思いました。大学生の時、同じ寮の先輩から教えてもらった「生きてていてもいいですか」を聴いて、こんな歌があるのかと衝撃を受けました。
 北アルプスに登った時に下って来た上高地の食堂に貼ってあった、「寒水魚」のポスターを欲しそうに見ていた友人を思い出したりします。もちろん私も欲しかったのですが。その後も、『カドカワ』やら、所謂、中島みゆきの研究本などを読み漁って、この人は何でこんな歌が作れるのか考えました。そして、今回、週刊誌の記事がきっかけで、何年かぶりに、「エレーン」とか「異国」とか「世情」をその日、夜寝る前に聴いてみました。さすがに興奮してしばらく寝付けませんでした。
 みゆきさんの歌は空気のように手では掴めないけれど、人生の時々で無くてはならないもので、私たちをすぐ横で静かに見守ってくれているのだと思っています。私も色んな時に助けられました。結婚披露宴で、「二艘の船」流したんですよ。これからもずっとみゆきさんの歌を聴き続けたいと思っています。

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