エッセイ//私の道草日記 其の17 越水 涼

2021.2.10

 三菱UFJ銀行が駅前にある為車で行きました。年に二~三回、小切手帳を受け取りに行くのです。(昔は東海銀行)会社から近隣のところなら歩きか自転車で行くのですが、さすがに歩くと三十分近くかかるのと今回はもう一か所法務局にも行く用事があり、車で行きました。

 銀行が契約している立体駐車場に車を停めエレベーターで降りて、地下道をくぐって大通りの反対側にある銀行に行き、数分待ったのち小切手帳を受け取り、また駐車場に戻るのです。その途中、道を外れ細い道を歩きました。

 私が会社に入った当初まだ市内電車(路面電車)がこの駅前まで来ていて会社帰りにこの辺りを道草していた時期がありました。会社から歩いていい喫茶店を探してみたり、”岐阜パルコ”で浜田省吾の写真展を見たり、たまには課も違うのに話が合った女の先輩と”明治”という名の喫茶店でスティングをいかに素晴らしいか勧められたり。そして、今日ふらっと歩いた道沿いにその頃には”ダイエー岐阜店”がありました。三十四年前はスーパーと言えばダイエーという時代だったと思います。エスカレーターで上の階へ上がりレコード店でCDを買っていました。”新星堂”でしたか、何年間はそこで買っていたと思います。

 そしてダイエーの向かい側にある小さなビルに”バナナレコード”が、何と今日もまだありました!当時買ったことはなかったと思いますがCDをよく聞いていたので電車の待ち時間に寄っていたのです。書店、映画館、飲食店、薬屋等どんな種類の店でも何十年と続けて行くのは大変なことです。私が若い頃出入りしていた店の多くはもう存在しないのです。

 そんな中”中古LP”というコトバを見てほっとしたのです。

 新しいこと、デジタル化がもてはやされている世の中ですが、アナログや多少の不便さがあってもいいと私は思うのです。色んな方が言っておられるように「デジタル庁」だけでなく「アナログ庁」もつくってほしいものです。

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