エッセイ//私の道草日記 其の19 越水 涼

2021.5.14

 今日はなんと30度行ったようです。会社の前に出ると生ぬるい風がもわっと来て、夏のようだと思いました。いよいよ少しずつ夏が近づいて来ます。今日はかなり久しぶりで陽が沈む前に帰路につきました。今途中下車して書いています。

 以前、2月に昔歩いたエリアを郷愁に浸りながら歩いていたら中古レコード店「バナナレコード」がまだあった、と書きました。私はこの前ゴールデンウイークに入る少し前にそこへ行ってみました。何となしに”荒井由実”のCDがないかなあって見ていました。そして「ユーミン・ブランド パート2」を買ったのです。私は実は中島みゆきもユーミンも好きです。最近も某週刊誌に1975年の吉田拓郎と中島みゆきの記事がありましたが、荒井由実も1975年にオリコン1位の曲出てますよね。当時の小学生だった私のおぼろげな記憶にもあります。それで、連休中はもっぱらこのCDやユーチューブで出ていたコンサート(1976年のFMラジオ音源)を何回も何回も聞いて過ごしたのです。実はそこであらためて聴いた「翳りゆく部屋」と「雨の街を」にもうほんと凄く感動してしまって、実は今連載中の「或る古書店店主の物語」の第十二章から十四章の話はこのふたつの歌から着想を得て書いているのです。

 そしてつい二か月ほど前初めて読んでみた篠田節子という小説家の作品がまた気に入って数冊続けざまに読んでいます。この方もユーミンも何と八王子市出身という共通点があったのです。時をほぼ同じくして熱中している方の出身が同じとは!

 でも考えてみるとこういうことって一杯ある気がします。その一。私の課の課長が昔担当していたお客様が私の家の近所の人でかつその娘さんが私の娘と同級生でかつ私の同僚の前職の同期だった。その二。私が勇気を振り絞って告白して振られた人が妻が高校生の時の部活の大会で対戦相手だった。その三。大学のゼミの旅行で鎌倉の東慶寺(縁切寺とも言われる)に行った時偶然にも私の中学・高校の同級生の女の子に遭った。(特に親しかったわけではありませんが)その四。私も私の娘も私の同僚もその妹も、もう一人の同僚の妹も同じ大学出身。などなど。

 つまり、生きていれば何か新しい出会いがあったり、昔出会っていたものに再会するとか、そういう縁とか運命とか必然があるって思うんです。人間生きていれば厭なこと、辛いことが当然あります。でも楽しいことも一杯ある。この歳になっても明日が待ち遠しいと思って毎日生きていたいのです。


コメント

人気の投稿